検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 289 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

水銀ターゲット容器内壁のキャビテーション損傷観察に関する技術資料,2; キャビテーション損傷深さの測定

直江 崇; 涌井 隆; 木下 秀孝; 粉川 広行; 勅使河原 誠; 羽賀 勝洋

JAEA-Technology 2023-022, 81 Pages, 2024/01

JAEA-Technology-2023-022.pdf:9.87MB

大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギーのパルス陽子ビーム入射時に、核破砕反応による中性子の発生と同時に水銀の急激な熱膨張によって、圧力波が発生する。この圧力波は、水銀中を伝ぱする過程で負圧によるキャビテーションを誘発する。水銀を充填するステンレス鋼製の水銀ターゲット容器の内壁近傍でキャビテーションが崩壊することによって、内壁表面には激しい壊食損傷が形成される。水銀ターゲット容器は、陽子ビームが入射することによって先端部分の内部発熱に起因する熱応力を低減するために、先端部を厚さ3mmの薄肉構造としている。陽子ビーム強度の増加に伴って、キャビテーションによる攻撃性は増加するため、壊食損傷がターゲット容器の疲労破壊や水銀の漏洩につながる。したがって、設計出力である1MWでの長期的な安定運転を実現するために損傷の低減化が求められている。キャビテーションによる容器壁面の壊食損傷を低減することを目的として、圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入や、ターゲット容器先端部の2重壁構造化などの対策を施している。損傷低減化策の効果の確認や、ビーム出力と壊食痕による損傷深さの相関を評価し、今後の運転条件を検討するために、使用済みのターゲット容器の先端部から試験片を切出し、損傷の観察を実施している。これまでに、内壁に形成されたキャビテーションによる損傷形態の観察と壊食痕による損傷の深さを測定することで、運転条件との相関について検討を実施し、気泡注入によって著しい損傷低減効果が発現されること、2重壁構造によって、先端部分の損傷形成がビーム出力に依存せず抑制できることを確認した。これらの成果によって、施設の設計目標である1MWの安定運転を実施可能な見通しを得た。本報では、これまでに開発、適用した実機水銀ターゲット容器内壁の損傷観察の手法、測定結果及び運転条件との相関についてこれまでに得られた成果をまとめる。

論文

Simulated performance evaluation of d-Be compact fast neutron source

中山 梓介

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1447 - 1453, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

d+Be中性子源は、橋やトンネルなどのインフラ設備のオンサイト非破壊検査のための可搬型中性子源の候補である。PHITSおよびJENDL-5を用いたモンテカルロ粒子輸送シミュレーションにより、d+Be中性子源の可搬型高速中性子源への適用性を検討した。シミュレーションの結果、遮へい体の厚さを約1.5倍にすることで、現在可搬型中性子源の有力な候補とされているビームエネルギー2.5MeVのp+Li中性子源と同等の性能を持つd+Be中性子源を、より低いビームエネルギーで実現できることを示した。

論文

Rod-shaped pulse shape discrimination plastic scintillation detectors applied for neutron source direction survey

小泉 光生; 持丸 貴則*; 弘中 浩太; 高橋 時音; 山西 弘城*; 若林 源一郎*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1042, p.167424_1 - 167424_6, 2022/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Instruments & Instrumentation)

文部科学省核セキュリティ強化等補助事業の下、広域における核・放射性物質検知技術開発を進めている。出力波形によってガンマ線と中性子を弁別できる棒状のプラスチックシンチレーション検出器を用いることにより、核物質等からの高速中性子を比較的低いバックグラウンドで検知するための装置を開発した。この装置は、2本の検出器とポリエチレンモデレーターを組み合わせたもので、回転させて、中性子源の方向を特定することができる。本論文では、PuBe線源からの高速中性子を測定した実験結果をもとに、シミュレーションの結果と合わせて、検出器および検出器システムの性能を報告し、迅速に放射線源の方向を探索する手法を提案する。

論文

第54回(2021年度)日本原子力学会賞論文賞; JENDL/DEU-2020: 加速器中性子源の設計研究のための重陽子核データライブラリ

中山 梓介

核データニュース(インターネット), (133), p.88 - 99, 2022/10

第54回(2021年度)日本原子力学会賞論文賞の受賞対象となった論文の内容を紹介した。重陽子加速器を用いた中性子源の利用が様々な分野で提案されているが、その設計研究に適用できるだけの精度良い重陽子核反応データベースは、世界的に見ても整備されていない。この現状を受け、中性子源において重陽子ビーム照射標的の候補となる軽核($$^{6,7}$$Li, $$^{9}$$Be, $$^{12,13}$$C)に対する重陽子核反応データベースJENDL/DEU-2020を開発した。核反応データの評価には、これまでに開発してきた重陽子核反応用計算コードDEURACSにさらに改良を加えたものを使用した。また、データベースの精度検証のため、標的核種や入射重陽子エネルギーを変えた様々な条件において、粒子輸送計算コードを用いたシミュレーションを実施し、実験データとの比較を行った。その結果、JENDL/DEU-2020を用いることで、他の核反応データベースや輸送計算コードに内蔵された核反応モデルを用いた場合よりも、幅広い条件において実験データの予測精度が大幅に向上することが分かった。

論文

Improvement of neutron diffraction at compact accelerator-driven neutron source RANS using peak profile deconvolution and delayed neutron reduction for stress measurements

岩本 ちひろ*; 高村 正人*; 上野 孝太*; 片岡 美波*; 栗原 諒*; 徐 平光; 大竹 淑恵*

ISIJ International, 62(5), p.1013 - 1022, 2022/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:32.54(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

Neutron diffraction is a powerful non-destructive method for evaluating the microscopic structure and internal stress of metal plates as a bulk average. Precise neutron diffraction measurements with a high intensity neutron beam have already been carried out at large-scale neutron facilities. However, it is not easy to provide users with enough experimental opportunities. We are working on upgrading the neutron diffractometer with techniques of time-of-flight to enable stress measurements at RIKEN accelerator-driven compact neutron source (RANS). To improve neutron diffraction resolution, delayed neutrons, which expand neutron beam pulse width, should be suppressed. However, it is difficult to separate the delayed neutrons experimentally. In this study, a new analysis method has been proposed to deconvolute the diffraction peak from the delayed neutron component. Moreover, a new collimator system, called decoupled collimator system, has been developed to reduce the number of delayed neutrons. The diffraction patterns from a powder sample of pure body-centered cubic iron were measured with the decoupled collimator and the diffraction peak of {211} reflection was analyzed by the new analysis method using a model function of a single exponential decay function convoluted with a Gaussian function. By this method, the decoupled collimator system has been confirmed to achieve a smaller measurement limit of lattice strain $$Delta$$$$varepsilon$$ than a small-aperture polyethylene collimator system and a non-collimator system. The currently available $$Delta$$$$varepsilon$$ was 6.7$$times$$10$$^{-4}$$, this means that the internal stress up to 130 MPa can be well evaluated for steel materials with a Young's modulus of 200 GPa at RANS.

論文

Theoretical study of deuteron-induced reactions in the nuclear data field

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*

Few-Body Systems, 63(1), p.4_1 - 4_6, 2022/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)

重陽子加速器を用いた大強度中性子源が理工学分野だけでなく医療応用に対しても提案されている。このような施設の設計には、重陽子入射反応に関する高精度かつ広範な核データが要求される。しかしながら、実験データのみを用いてこの要求を満たすことは困難である。そのため、実験データを内外挿して必要な核データを完備するために、理論計算が重要な役割を果たす。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用の計算コードDEURACSを開発している。本研究では、DEURACSの計算値を様々な実験値と比較することにより本コード内の理論モデルの妥当性を検証するとともに、重陽子入射反応を精度良く予測する上で分解過程の考慮することがいかに重要かを示す。

論文

Theoretical analysis of deuteron-induced reactions and development of deuteron nuclear database

中山 梓介

JAEA-Conf 2021-001, p.65 - 70, 2022/03

重陽子は陽子と中性子からなる弱束縛系であるため、標的原子核との相互作用を通じて容易に分解し中性子を放出する。この性質を利用して、重陽子加速器を用いた大強度中性子源が理工学や医療分野において提案されている。こうした施設の設計研究には重陽子入射反応に関する高精度かつ広範な核データが必要となる。こうした背景の下、重陽子核データ評価に向け、重陽子の分解過程を考慮した重陽子入射反応用の計算コードDEURACSを開発してきた。DEURACSはこれまでに中性子および質量数4までの軽イオン、ならびに残留核の生成の解析に適用され、成功を収めている。本講演ではこれらの解析結果を示すとともに、重陽子入射反応の精度良い予測のためには分解過程を考慮することがいかに重要であるかを議論する。また、最近、DEURACSを使用して$$^{6,7}$$Li, $$^{9}$$Be, $$^{12,13}$$Cに対する入射エネルギー200MeVまでの重陽子核反応データベースJENDL/DEU-2020を開発した。JENDL/DEU-2020の概要を述べるとともに、モンテカルロ計算コードによるシミュレーションを通じて行ったJENDL/DEU-2020の検証結果についても示す。

論文

J-PARCにおける核破砕中性子標的

羽賀 勝洋

加速器, 18(4), p.210 - 216, 2022/01

高出力加速器を用いたパルス核破砕中性子源は、物質科学や生命科学の分野において最先端の研究を行うために適した高強度で幅の狭い良質な中性子を供給できる有用な装置である。このシステムでは、高出力加速器で作り出すkWからMWオーダーの陽子ビームを重金属の標的に入射し、標的原子核との核破砕反応により大量の中性子を生成し、この中性子を減速材や反射体で熱・冷中性子に減速し、先端的な中性子実験装置群に供給する。本稿では主にJ-PARCのパルス核破砕中性子源について、中性子ビームを生成するしくみと中性子源の構造の概要、水銀標的等の標的の工学的設計手法、パルス陽子ビームの入射により水銀中で発生する最大40MPaにも達する圧力波による標的容器の損傷を低減する方法などの技術課題とその対策について解説する。

論文

The Performance of neutron diffractometers at long and short pulse spallation sources; Comparison between ESS and J-PARC

新井 正敏*; Andersen, K. H.*; Argyriou, D. N.*; Schweika, W.*; Zanini, L.*; Harjo, S.; 神山 崇*; 原田 正英

Journal of Neutron Research, 23(4), p.215 - 232, 2021/12

The general performance of diffractometers at the first long pulse spallation source ESS, is compared with their counterparts at J-PARC, a short pulse spallation source. The difference in the inherent pulse structure of these neutron sources presents opportunities for new concepts for instrumentation, where performance does not scale simply with source power. The article describes advantages and disadvantages of those diffractometers, adapting to the very different source characteristics. We find that the two sources offer comparable performance in flux and resolution when operating in high-resolution mode. ESS offers significant advantages in tunability and flexibility, notably in the ability to relax resolution in order to increase flux for a given experiment. On the other hand, J-PARC instruments perform very well in spite of the lower source power and allow better access to epithermal neutrons, of particular interest for PDF analysis of diffraction data.

論文

Integral experiments of technetium-99 using fast-neutron source reactor "YAYOI"

中村 詔司; 初川 雄一*; 木村 敦; 藤 暢輔; 原田 秀郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(12), p.1318 - 1329, 2021/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

本研究は、東大の高速中性子源炉「弥生」を用いて、放射化法により$$^{99}$$Tcの積分実験を行った。$$^{99}$$Tc試料を、気送管システムを用いて照射した。$$^{99}$$Tcの反応率は、$$^{100}$$Tcから放出されるガンマ線を測定して求めた。中性子束は、Au箔を用いてモニタした。本研究における$$^{99}$$Tcの反応率の結果は、JENDL-4.0を支持した。

論文

Radiological estimation and validation for the Accelerator-Based Boron Neutron Capture Therapy Facility at the Ibaraki Neutron Medical Research Center

中島 宏; 中村 剛実; 小林 仁*; 田中 進*; 熊田 博明*

NEA/NSC/R(2021)2 (Internet), p.142 - 151, 2021/12

病院に設置可能なホウ素中性子捕捉療法(BNCT)施設の開発を目指して、茨城中性子医学研究センターでは、筑波大学, 日本原子力研究開発機構, 高エネルギー加速器などの協力の下、加速器ベースのBNCT施設が開発されている。本装置は、80kWの最大ビームパワーを持つ陽子加速器と、ターゲット, モデレータ, コリメータ, シールド(TMCS)システムで構成されている。設計概念のために、BNCTビーム条件を満たし、低放射化を達成するために、TMCSシステムにおける放射線挙動はモンテカルロ法により計算され、その結果に基づいてTMCSの構成が最適化された。また、TMCSシステムの放射線計算結果をいくつかの実験により検証し、BNCTへの適用性を示した。本報告では施設開発のための評価と検証についてレビューする。

論文

中性子(東海村): 中性子利用研究の新展開; 大型定常中性子源(JRR-3)と大強度パルス中性子源(J-PARC MLF)の協奏時代の幕開け

武田 全康

ぶんせき, 2021(11), p.611 - 615, 2021/11

東日本大震災の影響で10年にわたり運転を休止していた研究用原子炉JRR-3が2021年2月に運転再開したことにより、大強度陽子加速器実験施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)の大強度パルス中性子源と大強度定常中性子源(研究炉)の両方を利用することのできる中性子科学推進の場が茨城県東海村の日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の敷地内に実現した。本解説では、それらの施設の特徴とそこに設置されている装置群を紹介する。

論文

レーザー駆動中性子源を用いた中性子共鳴透過分析システムの実証

弘中 浩太; 伊藤 史哲*; Lee, J.; 小泉 光生; 高橋 時音; 鈴木 敏*; 余語 覚文*; 有川 安信*; 安部 勇輝*

第42回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2021/11

中性子共鳴透過分析(NRTA)はパルス中性子源を用いてTOF測定を行うことで核物質を非破壊測定する手法であるが、小型・高精度化には短パルスな小型中性子源が必要となる。近年発展著しいレーザー技術を用いたレーザー駆動中性子源(LDNS)は、そのような中性子源として将来を期待されている。我々はLDNSを用いたNRTAの実現可能性を調べるため、大阪大学LFEXレーザーを用いて中性子TOF測定実験を行った。

論文

SiCワイヤにおける二次電子放出の大強度ビームに対する耐久性

明午 伸一郎; 中野 敬太; 大久保 成彰; 湯山 貴裕*; 石井 保行*

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.296 - 301, 2021/10

原子炉の廃棄物の有害度低減に用いる加速器駆動システム(ADS)や大強度核破砕中性子源の安定した運転のためには、ビームプロファイルモニタが重要となる。J-PARCの核破砕中性子源では、炭化珪素(SiC)の二次電子弾き出しによるマルチワイヤ-プロファイルモニタ(MWPM)用い測定を行っている。ADSのターゲット等の材料試験のためにJ-PARCで建設を計画している陽子照射施設でも、SiC製のMWPMを用いる予定としている。SiCのビーム耐久性が重要となるため、HeおよびArイオンビームを用いてSiCワイヤの劣化を測定した。本研究ではまた、2次元のビームプロファイル取得のため、蛍光型プロファイルモニタの開発を行った。アルミナを用いた蛍光体に対し、ArおよびXeイオンビームを入射し、蛍光スペクトルの測定を行った。

論文

JENDL/DEU-2020; Deuteron nuclear data library for design studies of accelerator-based neutron sources

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*; 緒方 一介*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(7), p.805 - 821, 2021/07

 被引用回数:20 パーセンタイル:96.99(Nuclear Science & Technology)

重陽子加速器を用いた高エネルギー中性子源の利用が様々な応用に対して提案されている。こうした中性子源の設計研究に資するため、$$^{6,7}$$Li, $$^{9}$$Be, $$^{12,13}$$Cに対する200MeVまでの重陽子核データライブラリJENDL/DEU-2020を開発した。JENDL/DEU-2020のデータの評価は、計算コードDEURACSを用いて特に中性子生成データに注意を払って行った。また、本評価に利用するに当たり、DEURACSにいくつかの改良を行った。評価データの検証はモンテカルロ輸送計算コードによるシミュレーションを通じて行った。その結果、JENDL/DEU-2020に基づくシミュレーション値は入射エネルギー200MeVまでの範囲で中性子生成に関する実験データを良く再現することが分かった。このことから、本ライブラリは多様な重陽子加速器中性子源の設計研究に大きく貢献すると期待される。

論文

5.2.1 燃料からの放射性物質放出モデルと放出後の化学形態、5.4.5 1F原発事故解析で得られたFP挙動モデルの技術課題

日高 昭秀

シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動, p.85 - 88, 2021/05

日本原子力学会の「シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動」研究専門委員会は、最近、活動内容を取りまとめた。著者はその委員として、シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動に係る解析コード、FP挙動モデルの節において、燃料からの放射性物質放出モデルの概要と、燃料から放出された後の放射性物質の化学形態について執筆した。また、福島第一原子力発電所事故解析から得られた現行の放射性物質挙動モデルの技術課題として、以下の3点((1)大気拡散コードと環境モニタリングデータから逆算した$$^{131}$$I/$$^{137}$$Cs比に基づく福島原発事故後期の$$^{131}$$I及び$$^{137}$$Cs放出機構の推定、(2)福島原発事故後放射性テルル放出時間の推定及びそれらと個々のプラント事象との関係、(3)福島原子力発電所事故中に正門付近で観測された中性子源及び4号機水素爆発の誘因となった水素の追加発生 -高温炉心溶融物のクエンチ時に起こり得る事象からの類推-)について執筆した。

論文

Recent progress of a code system DEURACS toward deuteron nuclear data evaluation

中山 梓介; 岩本 修; 渡辺 幸信*

EPJ Web of Conferences, 239, p.03014_1 - 03014_4, 2020/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:86.93(Nuclear Science & Technology)

重陽子加速器を用いた大強度中性子源が、核融合炉材料の照射試験や医療用放射性同位体の製造といった様々な応用に対して提案されている。さらに近年では、重陽子核破砕反応を用いた核変換システムが長寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換に対して提案されてもいる。これらの施設の設計研究には高精度かつ広範な重陽子核データが不可欠である。こうした状況の下、我々は重陽子入射反応用計算コードDEURACSを開発しているところである。本研究では、中性子や質量数4までの軽荷電粒子の放出の二重微分断面積や、核種生成断面積等、入射エネルギー200MeVまでの種々の物理量をDEURACSを用いて解析する。実験値との比較により、DEURACS内の理論モデルの妥当性を検証する。

論文

Two-parameter model for optimizing target beam distribution with an octupole magnet

明午 伸一郎; 大井 元貴; 藤森 寛*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(6), p.062802_1 - 062802_24, 2020/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:36.4(Physics, Nuclear)

加速器駆動の核変換システム(ADS)や核破砕中性子源に用いられる陽子加速器のビーム出力増強につれ、ビーム窓や標的の損傷は深刻な問題となり、損傷緩和のためにビーム電流密度の均一化が重要となる。密度均一化のため比較的よく用いられるラスター磁石には、故障時のビーム集束の重大な問題がある。一方、非線形光学を用いたビーム平坦化にはビーム拡大の問題があることが指摘され、これまで非線形効果導入の八極磁石におけるビームの角度の広がりを無視したフィラメント近似模型による検討が行われた。フィラメント近似模型では、非線形収斂作用を適切に評価できないため、本研究では一般化した非線形モデルの適用により非線形ビーム光学における収斂および発散作用を詳細に検討した。正規化した八極強度$$ K^{*}_8 $$と位相進行$$phi$$における$$cotphi$$の2つのパラメータ導入により、非線形効果を特定な条件によらず一般化できることを明確にした。ビームのピーク密度低減と損失最小化という拮抗する問題の解決には、$$K^{*}_8 sim $$ 1および$$ cotphisim$$ 3とすることにより解決できることが判明した。J-PARCの陽子ビーム輸送系(3NBT)に本検討結果を適用し、核破砕中性子源の水銀標的入口のビーム形状の比較検討した結果、モデル計算によるビーム分布は実験データとよい一致を示し、線形光学においてピーク電流密度を約50%にできることを示した。

論文

In-house texture measurement using a compact neutron source

徐 平光; 池田 義雅*; 箱山 智之*; 高村 正人*; 大竹 淑恵*; 鈴木 裕士

Journal of Applied Crystallography, 53(2), p.444 - 454, 2020/04

AA2019-0242.pdf:2.9MB

 被引用回数:7 パーセンタイル:65.47(Chemistry, Multidisciplinary)

In order to improve the instrumental accessibility of neutron diffraction technique, the emerging compact neutron sources and in-house neutron diffractometers as a good complementary way have caused wide attention while their analysis precision seems problematic for the practical application. As a challenging project, the RIKEN accelerator-driven compact neutron source (RANS) was employed to establish the technical environment for texture measurement, and the recalculated pole figures and the orientation distribution function (ODF) of an interstitial-free (IF) steel sheet obtained from RANS were compared with the results from another two neutron diffractometers well-established for texture measurement. Moreover, the parameter "square integration of ODF difference" originally for evaluating the numerical error between the measured and simulated textures was generalized here to examine the reliability of RANS texture measurement. These quantitative comparisons revealed that the precise neutron diffraction texture measurement at RANS has been realized successfully and the following technical optimizations are much valuable, including the thickness selection of polyethylene moderator, the sample-to-detector distance, the B$$_{4}$$C shielding sheets for the reduced background noise, and the fine region division of the neutron detector panel. Moreover, the Rietveld texture analysis improves the texture reliability through avoiding the unfavorable influence of the uncertain diffraction intensity involved in the low counting, long wavelength incident neutrons at large scattering angles. Above technical results may accelerate the development of other easily accessible engineering materials evaluation techniques using compact neutron source, and also help to improve the data-collecting efficiency for various time-sliced scattering experiments at large neutron facilities.

論文

Anomalous radioisotope production for $$^{68}$$ZnO using polyethylene by accelerator neutrons

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 慎太郎; 湊 太志; 川端 方子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 本石 章司*

Journal of the Physical Society of Japan, 89(3), p.034201_1 - 034201_7, 2020/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.16(Physics, Multidisciplinary)

ポリエチレン遮へい中の$$^{68}$$ZnOに、50MeV重陽子と$$^{9}$$Beによる($$d,n$$)反応で生成した中性子を照射することで、$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの特異な生成を実験的に確認した。特に、ポリエチレン遮へい内で得られた収率は、遮へいなしの実験と比較して、約20倍の収量を示した。一方、鉛遮へい内の金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの収量と、$$^{68}$$ZnO及び金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Cu, $$^{65}$$Ni及び$$^{65}$$Znの収量は、遮へいによる影響はほとんど受けていない。この実験結果は、遮へい条件を調整することで、中性子反応に限らず陽子反応を含む多様で大量の放射性同位元素を、一度の照射で同時に合成できるという加速器中性子の注目すべき特性を示すものである。また、PHITSコードを利用した生成量予測を試み、本実験結果と比較することで、本生成量の特異性について評価した。

289 件中 1件目~20件目を表示